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脂質異常症

公開日:2025-06-05 最終更新日:2026-04-16

脂質異常症の治療について

当院では、脂質異常症をはじめとした生活習慣病の診療に力を入れています。「健診でコレステロールが高いと言われた」「中性脂肪が高いままになっている」「薬を処方されているけれど治療内容がよくわからない」など、不安を感じた際にはお気軽にご相談ください。

脂質異常症とはどんな病気ですか?

脂質異常症とは、血液中の悪玉コレステロール(LDLコレステロール)や中性脂肪(トリグリセライド)が基準を超えて増えてしまっている状態や、逆に善玉コレステロール(HDLコレステロール)が減ってしまっている状態のことを言います。

以前は「高脂血症」という表現が使用されていましたが、善玉コレステロールが「低い」ことも問題であることから、現在は「脂質異常症」と言うことが一般的です。とは言っても、多くの場合はコレステロールが高いことを指摘されて病院を受診しますし、高脂血症という言葉は現在でも良く使われています。

脂質異常症は、健診でも日常診療でも非常に多くみられる病気です。ただし、自覚症状がないために、指摘されてもそのままになっていることも少なくありません。

脂質異常症の原因はなんですか?

脂質異常症の多くは、食事、運動不足、肥満、アルコールの飲みすぎなどの生活習慣が原因であることが分かっています。高血圧や糖尿病と共に、生活習慣病の代表のひとつにあげられます。

また、遺伝的な要因によって起こる「家族性高コレステロール血症」と呼ばれるものもあります。こちらは生活習慣とは関係ありません。若いころからLDLコレステロールが高い状態が続くため、一般的な脂質異常症に比べて動脈硬化性疾患のリスクが高いことが分かっています。

なぜ脂質異常症を治療しなくてはならないのですか?

脂質異常症も、高血圧などと同様に、それだけでは自覚症状はなく、痛くも痒くもありません。

しかし、異常が継続することで、心筋梗塞や脳卒中といった動脈硬化性疾患のリスクが高くなることが分かっています。ひとたび動脈硬化性疾患を発症すると生活の質が落ちるだけでなく、命に関わることもあります。動脈硬化性疾患のリスクとなるものは、他に高血圧・糖尿病・喫煙・加齢などがありますが、脂質異常症はその中でも重要な因子のひとつです。また、家族性高コレステロール血症は、その他の脂質異常症と比べてもリスクが高いため、より厳密な治療が必要となります。

高トリグリセライド血症は動脈硬化のリスクになるだけでなく、著しく高い場合には急性膵炎の原因になることも知られています。

脂質異常症はどのように診断するのですか?

脂質異常症の診断は、血液検査で行います。

LDLコレステロールが140mg/dL以上、HDLコレステロールが40mg/dL未満の場合には、それぞれ高LDLコレステロール血症、低HDLコレステロール血症として脂質異常症の診断となります。中性脂肪(トリグリセライド)は、空腹時150mg/dL以上、または随時採血で175mg/dL以上の場合に高トリグリセライド血症とされます。また、non-HDLコレステロールが170mg/dL以上の場合も高non-HDLコレステロール血症とされます。

健診では「少し高め」と言われることもありますが、LDLコレステロール120〜139mg/dL、non-HDLコレステロール150〜169mg/dLは境界域とされ、他のリスクがある場合には注意が必要です。

また、家族性高コレステロール血症は特別な診断基準があり、未治療のLDLコレステロール高値に加えて、家族歴やアキレス腱肥厚、黄色腫などの所見をもとに診断します。LDLコレステロールが180mg/dL以上の場合は特に疑って評価します。必要に応じて遺伝学的検査が診断の助けになることもあります。

脂質異常症はどのように治療するのですか?

脂質異常症は、診断されたらすぐに薬を飲み始めなければならないわけではありません。

これまでにどんな病気があったか、糖尿病や高血圧など治療中の病気があるか、年齢、喫煙、血圧の値、慢性腎臓病の有無、これまでに心筋梗塞や脳梗塞を起こしたことがあるか、などをあわせて、動脈硬化性疾患のリスクがどの程度あるかを評価することから始まります。そのリスクに応じて、目標とするコレステロールの値が変わってくるのです。

また他の生活習慣病と同様、まずは食事療法と運動療法が基本となります。この生活習慣の改善を行っても治療の目標値に達しない場合に、薬物療法が検討されます。特にLDLコレステロールが高い場合には、スタチンを中心とした治療が行われることが多くなります。

HDLコレステロールが低い場合や中性脂肪が高い場合にも、禁煙、運動、体重管理、食事内容の見直し、飲酒量の調整といった生活習慣の改善がとても重要になります。

心筋梗塞や脳梗塞の既往がある場合、あるいは家族性高コレステロール血症、糖尿病、慢性腎臓病などを伴う場合には、より厳格な管理目標が設定されます。家族性高コレステロール血症の場合には、治療目標や治療開始の考え方も一般的な脂質異常症とは異なります。

コレステロールが心配な方はお気軽にご相談ください

健診で指摘される「コレステロール高値」は、「毎年言われているから・・・」と放置してしまわれることが多い印象です。他にリスクとなるものがなく、すぐに薬が必要でない場合もありますが、年齢や合併症の変化によって治療の考え方が変わることもあります。特にLDLコレステロールが高い方、糖尿病や高血圧がある方、ご家族に若くして心筋梗塞などを発症した方がいる場合は、まずは一度しっかりと受診して説明を聞くことをオススメします。

【参考】

動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022年版 日本動脈硬化学会
動脈硬化性疾患予防のための脂質異常症診療ガイド2023年版 日本動脈硬化学会
成人家族性高コレステロール血症診療ガイドライン2022 日本動脈硬化学会

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