アレルギー専門医として「おとなの食物アレルギー」の診療にも力を入れています。
「食物アレルギー」というと、小さい頃から始まる「卵アレルギー」「牛乳アレルギー」などを思い浮かべる方も多いと思います。
しかし、成人以降に初めて食物アレルギーが発症する方も少なくありません。
小児の食物アレルギーについては、多くの小児科医師が診療を行い、さらにアレルギーを専門としている先生も多いため、受診に困ることはあまりありません。しかし、「おとなの食物アレルギー」については、診療に慣れている医師が少ないのが現状です。
診療科として「アレルギー科」と書いてあってもアレルギー専門医でないことも多く、アレルギー専門医であっても食物アレルギーを診療することができる医師は限られています。
おとなの食物アレルギーの特徴
アレルギーを起こす食物がこどもとは違う
こどもとおとなでは、アレルギーを起こす食物の種類も違います。
0歳では「卵」「牛乳」「小麦」の3つが全体の95%以上を占めますが、18歳以上になると、新しく発症するアレルギーでは、甲殻類・小麦・魚・果物・大豆の順と報告されています。

近年、魚を食べたときに症状が出るアレルギー患者さんが、実は魚に対するアレルギーではなく、その魚に寄生するアニサキスのアレルギーと判明することが多いことが分かってきました。
【参考】アニサキスアレルギー
ある日突然症状が始まる
おとなの食物アレルギーは、初めて食べたときに発症することすることが多いこどもの場合とは違い、それまではずっと食べても問題なかった(むしろ好きでよく食べていた)のに、ある日突然アレルギー症状が出現して発症します。
「今までは大丈夫だったから、○○は原因ではない。」ということが通用しない場合があるのです。
受診時には、症状が本当に食物アレルギーによるものなのか、食物アレルギーだとすると原因の可能性があるのは何なのか、を細かい問診で考えていく必要があります。
食物依存性運動誘発アナフィラキシー
おとなの食物アレルギーでは、食物依存性運動誘発アナフィラキシーというタイプが多く見られます。これは、原因となる食物を食べたたけでは症状は出現しませんが、その後に運動をするとアレルギー症状が出現するというものです。代表的なものは小麦による食物依存性運動誘発アナフィラキシーで、その他、エビやカニなどの甲殻類、果物が続きます。
必ずしもアナフィラキシーの定義を満たすまでの症状が出現するわけではなく、また誘発する因子も運動以外に、飲酒、痛み止めの内服、寝不足、疲労、生理(女性の場合)などがあり、診断を難しくします。
口腔アレルギー症候群(OAS:oral-allergy syndrome)
おとなの食物アレルギーで多いもうひとつのタイプは、口腔アレルギー症候群です。果物や野菜によって起こるアレルギーで、口腔内(口の中)を中心に症状が出現します。多くは花粉症に合併して起こり、花粉に含まれるアレルギーを起こすタンパク質と似たタンパク質を果物や野菜が持っていることで起こる(交差抗原性)ことが分かっています。
似た部分を持つ果物や野菜は多くあるため、複数の果物・野菜で次々と症状が現れることが多くあります。シラカバやハンノキの花粉症がある方に、モモやリンゴの口腔アレルギー症候群が出現することが有名です。
まずはご相談ください。
食物アレルギーかな?と心配になったときには、お気軽にご相談ください。丁寧に診療いたします。
