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ニコチン依存症と禁煙外来

公開日:2025-06-05 最終更新日:2026-05-21

禁煙補助薬のチャンピックス®の出荷停止は解除されました。

チャンピックス®とニコチンパッチ(ニコチネルTTS®)、どちらを使用した禁煙外来も行うことが可能です。禁煙外来をご希望の方はご相談ください。

はじめに

当院では「禁煙外来」を行っています。

「禁煙外来」とは、たばこをやめる希望はあるが、自分のがんばりだけではやめることが難しい患者さんに対して、禁煙補助薬の使用などによって禁煙の手助けをする外来です。3ヶ月間で、5回の外来を受診していただくことになっており、保険診療で行われます。

Q. チャンピックスの処方はできますか?

A. 現在製薬会社のトラブルによる出荷停止は解除され、現在はチャンピックスの処方も可能になりました。チャンピックスの内服か、ニコチンパッチ(貼り薬)であるニコチネルTTS®か、どちらでも選択可能です。

最近は禁煙成功率はどちらの薬を使用しても大きな違いはないという報告もあり、ニコチンパッチを処方する禁煙外来が積極的に行われています。ご本人の生活スタイルや基礎疾患に合わせて禁煙補助薬を提案いたします。心配なく受診してください。

Q. ニコチン依存症はどういうものですか?

A. ニコチン依存症は、タバコに含まれるニコチンに対する身体的、心理的依存を指します。喫煙を継続することで、体は常にニコチンを必要とするようになり、禁煙時にはイライラや不安などの禁断症状が出現します。これに加えて、日常の習慣や特定の状況と関係して喫煙したくなることも特徴的です。

ニコチン依存症には「身体的依存」と「心理的依存」があります。ニコチンの血中濃度がある一定よりも低くなったときに不快に感じて喫煙したくなることが「身体的依存」で、タバコを吸うことでストレスがなくなる・リラックスできるといった間違った認識が「心理的依存」です。

また、喫煙は「起きたとき」「食後のコーヒーと一緒に」「お酒を飲んでいるとき」など、他の行動と組み合わさって習慣化していることが多く(「習慣的依存」)、これらが複雑に組み合わさっていることで禁煙を難しくしています。

Q. ニコチン依存症の診断はどのように行われますか?

A. 禁煙外来のときの診断には、TDSというテストが使用されます。

ニコチン依存症かどうかを簡単にチェックするテストが、TDSです。以下の10項目について、「はい」を1点、「いいえ」を0点として、点数を合計し、5点以上はニコチン依存症とします。

TDS(ニコチン依存症スクリーニングテスト)

Q. たばこはそんなに体に悪いのですか?

A. 喫煙は法で許されている行為で1番体に悪いといっても過言ではありません!

たばこによってリスクが高まる病気は数多くあり、その中には生死と直接関係あるものもあります。「たばこ」は予防できる最大の死亡原因ということが分かっています。下記リンクを読むと、多くの病気がたばこによって引き起こされる(たばこと関係のない病気のほうが少ない?!)と感じるのではないでしょうか。

喫煙者本人の健康影響(厚労省 e-ヘルスネット)
喫煙によるその他の健康影響(厚労省 e-ヘルスネット)

また、喫煙は喫煙者本人だけでなく、周囲にも影響が大きいことが知られています。

受動喫煙 -他人の喫煙の影響(厚労省 e-ヘルスネット)

その他、女性の喫煙の影響についても知っておく必要があります。

女性の喫煙・受動喫煙の状況と、妊娠出産などへの影響(厚労省 e-ヘルスネット)

Q. 誰でも禁煙外来を受けられるのですか?

A. 禁煙外来を受けるためには以下の条件を満たす必要があります。

  1. 禁煙をしたいと希望していること。
  2. ニコチン依存症と診断された方であること(上記のTDSを用いた診断)。
  3. 35歳以上の場合には、ブリンクマン指数(1日の喫煙本数 ✕ 喫煙年数)が200以上であること(35歳未満は何本吸っていても関係ありません)。
  4. 禁煙することを希望し、禁煙治療について説明を受けた上で、治療を受けることに文書で同意すること。

ニコチン依存症かどうかは上述の「TDS(ニコチン依存症スクリーニングテスト)」を行い5点以上であることを確認します。未成年を含む34歳以下の場合は、1日何本吸っていても関係ありませんが、35歳以上の場合には、ブリンクマン指数が200以上(例えば1日30本を20年間続けている場合には、ブリンクマン指数は「600」になります)でないといけません。また、ご本人自身が禁煙する意志を持ち、説明を受けた上で同意書にサインをしていただく必要があります。

過去に禁煙外来を受診したことがある方でも、前回の禁煙外来の初日から1年以上経過していれば、再度禁煙外来にチャレンジすることができます。

Q. どのような流れで禁煙外来は行われるのですか?

A. 禁煙外来は3ヶ月間、全5回の通院で行われます。初回、2週間後に2回目、また2週間後に3回目、4週間後に4回目、その4週間後が最終5回目の受診となります。

まず最初に、喫煙状況を確認して、禁煙外来を保険で受けることができるか確認します。
また、「呼気一酸化炭素」を測定します。喫煙本数が多ければ多いほど高い数字になり、本数が減れば低くなるため、客観的な指標になるものです。これは禁煙外来受診のたびに毎回測定することになります。
その後、喫煙の害や禁煙の方法について、禁煙補助薬について説明して初回を終了します。

2回目は2週間後、3回目はまた2週間後、4回目はその4週間後に受診し、最後また4週間後に5回目を受診するまで、初回から12週間/3ヶ月の治療になります。

途中、禁煙に成功していても、残念ながらうまく行かずに喫煙を続けてしまっていても、しっかりと外来に受診していただくことが大切です。人間ですから、次はダメかもしれないし、次はうまく行ってるかもしれません。
禁煙できたから!と言って通院を中断してしまう方がいらっしゃいますが、最後まで通院したほうがその後の禁煙の成功率が高いことがわかっています。

おわりに

まずは喫煙・禁煙についてじっくり考えてみましょう

禁煙については、ご本人にその意志がないとうまく行かないことが多いので、まずは関心を持っていただくことが大切です。何かをきっかけに禁煙のことを少しでも考えることがあったら、禁煙外来の存在を思い出してください。

外来を受診するみなさんには、早い段階で必ず喫煙についてお伺いします。喫煙をしている方には、喫煙の害についてひと通りのことを説明して、考えるきっかけにしていただきたいのです。

説明をしっかりと理解した上で、それでも喫煙を継続するのは本人の自由です。ただ、人間は変わる生き物、ちょっと時間が経つと禁煙する気持ちになっているかもしれないし・・・と思いながら、声をかけさせていただきます。

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