インフルエンザとはどんな病気ですか?
インフルエンザは、インフルエンザウイルスによる呼吸器感染症です。高熱や悪寒、咽頭痛などが主な症状で多くは一過性で自然に良くなりますが、時に肺炎を起こして重症化し、死に至ることもあります。
インフルエンザはどうやって診断するのですか?
これまではインフルエンザの流行期に、インフルエンザらしい症状があれば、かなりの確率でインフルエンザと考えることが出来ました。その診断をより確実なものとするのが、インフルエンザの迅速抗原検査です。インフルエンザらしい人に検査を行い、陽性であれば、インフルエンザと診断します。
しかし、新型コロナウイルスのPCR検査や抗原検査の結果が100%ではないように、インフルエンザの迅速抗原検査の結果も100%正確というわけではありません。インフルエンザらしい人の迅速検査の結果が陰性であっても、「インフルエンザではない」とは言い切れず、むしろ、「検査は陰性ですがインフルエンザの可能性が高いと思います」ということまでしか言えない場合も多くあります。最終的には、他の病気による症状の可能性はないか等に注意しつつ、医師が総合的に判断して、治療方針を決定することになります。
また、インフルエンザとコロナの症状は似ている部分も多く、経過と症状だけでは区別がつきません。
インフルエンザはどのように治療するのですか?
インフルエンザは、多くの場合自然に治癒する病気です。その意味では、症状を緩和する解熱鎮痛剤などが一番大切な「治療」かもしれません。
しかし、肺炎を発症したりして重症化する場合もあるため、リスクがある場合には抗インフルエンザウイルス薬の投与が行われます。一番有名なのはタミフルですね。
現在の米国感染症学会のガイドラインでは、インフルエンザで入院した場合、重症の場合、症状が進行する場合、重症化のリスクが高い場合、2歳未満の小児および65歳以上の高齢者、妊婦および産後2週間以内、にはワクチン接種の有無に関わらずできるだけ早期に抗ウイルス薬を投与することになっています。
「重症化のリスクが高い場合」とは、慢性の肺疾患や心血管疾患、腎疾患、肝疾患、血液疾患、糖尿病、神経疾患など基礎疾患がある場合、免疫抑制状態(免疫抑制剤等による治療を受けている患者など)の場合、妊婦、肥満、高齢者療養施設などの入居者、が当てはまります。
それでは、それ以外は抗ウイルス薬は使用しないかというとそういうことではなく、発症2日以内であれば抗ウイルス治療を検討しても良いということになっています。これは発症早期には誰が重症化するかは予想がつかないということもあると思います。その他、重症化リスクの高い人と同居している場合や、多くの患者と接する医療従事者なども抗ウイルス治療を検討して良いとされています。
逆に、基礎疾患のない健康な若者で、発症から2日以上経過した場合には、抗ウイルス薬の適応にはなりません。
実際には、発症2日以内でも、健康な若者には抗ウイルス薬を私から勧めることは、個人的にはほとんどありません。どんな薬もそうですが、飲まなくても良いなら飲まないに越したことはありません。抗インフルエンザウイルス薬にも副作用があるため、最終的には、メリットとデメリットをしっかり説明し、相談して決めることになります。
インフルエンザワクチンはどうしたら良いのですか?
2022年8月に、日本感染症学会から「2022-2023年シーズンのインフルエンザ対策について」という提言を出しました。インフルエンザの流行が起こる可能性が高いことを説明し、これまで通りインフルエンザワクチンの積極的な接種を推奨しています。
多くの自治体で、インフルエンザにかかった場合に重症化のリスクが高い高齢者や子どもには公費による補助が行われています。補助のない方はワクチンを接種しなくても良いかというとそうではありません。ワクチンの目的のひとつである集団免疫のためには、できるだけ多くの接種が必要になります。インフルエンザワクチンの時期が来たら、できるだけ多くの方に接種していただきたいと考えています。
発熱などの症状があって、どうしたら良いか分からない場合、不安な場合には、いつでも当院にご相談ください。
参考
2022-2023年シーズンのインフルエンザ対策について(一般の方々へ) 2022.8.9
