帯状疱疹ワクチンは何を予防するワクチンですか?
帯状疱疹ワクチンは「帯状疱疹」という病気を予防するワクチンです。
帯状疱疹は、「水痘ウイルス(水痘帯状疱疹ウイルス)」というウイルスによって起こる病気です。「水痘」とはみずぼうそうのことで、みずぼうそうに感染後に体に残るウイルスが、時間が経ってから帯状疱疹を引き起こすことが分かっています。
ほとんどの成人は水痘ウイルスに感染したことがあるため、帯状疱疹になるリスクがあるということになります。
実際には50歳をすぎると帯状疱疹になる可能性が高くなってきて、80歳になるまでに1/3の人が発症するという報告があります。
帯状疱疹の主な症状は、痛みを伴う皮疹です。体の左右どちらかの限られた範囲に皮疹が集まって出現することが多く、通常は皮疹が出る2-3日前から痛みがあり、その後に皮疹が出現、数日間は新たなものが出現しますが、その後はかさぶたとなって、1ヶ月程度でもとの状態に戻ります。多い場所は、胸から腰のあたりですが、顔にできることもあります。
帯状疱疹には様々な合併症がありますが、「帯状疱疹後神経痛」は、皮疹が良くなった後も痛みが持続するもので非常にやっかいです。20%以上の方が3ヶ月経っても痛みが残存し、中には年単位で痛みが続くこともあります。
帯状疱疹ワクチンは、帯状疱疹の発症や合併症を予防する効果があります。
帯状疱疹ワクチンにはどのような種類がありますか?
現在日本で使用できる帯状疱疹ワクチンは2種類です。
シングリックス®(不活化ワクチン)
シングリックスは2020年に発売が開始された新しいワクチンです。
帯状疱疹の発症予防は50歳以上で接種3年後でも97%程度、70歳以上で90%程度と高い効果が報告されています。またその効果の持続性も高く、最近の報告では9年以上も効果が持続することが分かっています。
当院では、特に60歳以上の方にはこちらのシングリックスを推奨しています。
マイナスな面もあります。ひとつは副反応が多いこと。接種した場所の副反応(痛み・発赤・腫れ)の出現は80%くらいの高い確率で起こり、また筋肉痛や疲労感などの全身症状も60%以上で出現します。
価格が高く、それを2ヶ月の間隔で2回接種しなくてはならないこともポイントです。
乾燥弱毒生水痘ワクチン「ビケン」®(生ワクチン)
従来から小児のみずぼうそうのワクチンとして使用していた生ワクチンが、成人の帯状疱疹ワクチンとして2016年から50歳以上の方に接種できるようになりました。水痘ワクチンの接種は1回の皮下注射です。
帯状疱疹の発症を50%ちょっと減らすことができ、帯状疱疹後神経痛も65%ちょっと減らすことができるとされています。その効果は5年程度(4〜7年後で40%の予防効果あり)と言われています。
シングリックスに比べて副反応は少なく、1回の接種で良い上に1回の費用も少なく、全部で1/5程度の負担で済むという良い点があります。
帯状疱疹ワクチンはいつどんな人が接種すれば良いのですか?
現在日本では50歳以上のすべての方に帯状疱疹ワクチンの接種が可能です。
激しい痛みと合併症のことを考えると、50歳以上で接種したことがないすべての方、特に60歳以上の方に接種をお勧めいたします。
