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熱中症。

TOP 公開日:2022-07-03 最終更新日:2025-11-19

暑いです。
あっというまに梅雨が去り、真夏がやってきました。
日中はずっとクリニック内にいるので感じませんが、昼休み(平日14:00から15:00が当院の昼休みです!)に外に出ると尋常な暑さではありませんね。

これはもう熱中症で具合が悪くなってクリニックを受診する方がいつ出てもおかしくないな、と思って、空き時間に熱中症について復習していました。

熱中症診療ガイドライン 2015

熱中症診療ガイドライン2015、というものが日本救急医学会から出ています。そろそろ改訂の動きがあるようですが、現在のところこれが日本の最新のガイドラインです。疫学、診断、治療、予後、の4セクションに分けて、記載されています。

その他、「熱中症環境保険マニュアル2022」や「=イベント主催者・施設管理者のための=夏季のイベントにおける 熱中症対策ガイドライン 2020」といったマニュアル・ガイドラインが見つけられました。このふたつは、医療従事者向けというよりは一般の方向けのものですので、どなたにでも読みやすくわかりやすいものでした(最後にリンクを貼っておきます)。

熱中症とは何か?

熱中症とは「暑熱環境における身体適応の障害によって起こる状態の総称」である、と記載されています(熱中症診療ガイドライン 2015)。人間の体には、暑かったり寒かったりという環境の変化にはある程度対応できる(身体適応)力が備わっていますが、その能力を超えた「暑熱環境」によって引き起こされる悪い状態のことを、まとめて熱中症と呼ぶのです。

熱中症環境保険マニュアル2022では、もう少しわかりやすい表現が使われています。

熱中症は・・・ 体温を平熱に保つために汗をかき、体内の水分や塩分(ナトリウムなど)の減少や血液の流れが滞るなどして、体温が上昇して重要な臓器が高温にさらされたりすることにより発症する障害の総称です。高温環境下に長期間いたとき、あるいはいた後の体調不良はすべて熱中症の可能性があります。

熱中症にはどのような人がなるのか?どのくらい起きるのか?

屋外でスポーツをする若年者や、屋外で労働する中壮年男性で、熱中症は良く起こります。しかしこれらは重症化することは多くはありません。一方高齢者や基礎疾患を持つ患者さんや、活動度が低い方は、屋内であっても熱中症を起こしやすく、また重症化しやすいことがわかっています。(熱中症診療ガイドライン 2015)

その他、脱水状態にある人、乳幼児、からだに障害がある人、肥満の人、過度に衣服を着ている人、普段から暑さに慣れていない人、は熱中症のリスクが高いと考えられています。

消防庁のデータによると、2021年5月から9月にかけて熱中症により救急搬送された人は、全国で4万7877人。発生場所は住居が一番多く39.4%、次が道路で17.5%ということでした。思ったよりも住居での発生が多いと感じませんか?

熱中症の重症度とその症状はどんなものがあるのか?

重症度はⅠ・Ⅱ・Ⅲと、大きく3つに分けられます。

Ⅰ度は、以前の呼び名では「熱失神」から「熱痙攣」にあてはまる段階で、軽症として、現場にて対応可能とされています。立ちくらみやめまいはあっても、意識ははっきりしていて、その他、手足の筋肉がこむら返りを起こしたり、しびれたりという症状が出現します。

Ⅱ度は、「熱疲労」と呼ばれていた段階で、医療機関への受診が勧められる中等症。嘔気嘔吐があったり、激しい頭痛や倦怠感が出現します。意識障害が出現して、なんだか言っていることがおかしくなったり、反応がにぶくなったりしてきます。

Ⅲ度は重症で「熱射病」と呼ばれています。全身のけいれん、39℃を超える高熱、意識障害は進行して、呼びかけに反応がなくなってしまうこともあります。この段階だと直ちに医療機関に搬送する必要があります。状況によっては入院が必要になります。

これらの段階は、どこかではっきりと線引きができるわけではなく、医療従事者でないと判断が難しいこともあるでしょう。軽症だと思っても、最初の対応で速やかに改善が得られなければ、医療機関への受診をお勧めします。

熱中症だ!と思ったら何をすれば良いのか?

まず、意識障害など重症であることが疑われた場合にはすぐに救急搬送の手筈を整えてください。その上で、熱中症と思われる人に対して現場で行うことは以下の2つです。

  1. 涼しいところに移動して冷やす
  2. 水分・塩分を摂取させる

日陰や屋内の涼しい場所に移動させ、扇風機で風を送ったり、うちわで扇いだり、霧吹きなどで水を吹きかけて体を冷却します。氷があれば、頸部や脇の下、足の付根などを直接冷却します。高熱の場合には、直接水を全身にかけるなどして冷却する場合もあります。

自力で水分を飲むことができるのであれば、経口補水液(有名なOS-1など)やスポーツドリンクを飲んでもらいます。飲めない場合は、中等症以上になるので、早期に医療機関を受診するようにしてください。

予防が一番大切!

以上、熱中症についての復習でした。

とは言え、重症な状態まで進行してしまっては、適切な対応をとったとしても亡くなってしまう場合もある怖い病気です。そうならないように、予防することが一番大切です。

熱中症環境保険マニュアル2022では予防に多くのページを割いています。日常生活での注意事項として挙げられているのは以下の7点です。

  1. 暑さを避けましょう
  2. こまめに水分を補給しましょう
  3. 急に暑くなる日に注意しましょう
  4. 暑さに備えた体づくりをしましょう
  5. 各人の体力や体調を考慮しましょう
  6. 集団活動の場ではお互いに配慮しましょう
  7. 暑さ指数の測定値などを把握しましょう

言葉では簡単に見えますが、実際にはなかなか大変そうですね。

無理をしないことと、心配なときには早めに医療機関を受診していただく、ということが大切だと思います。みなさんも、可能な範囲で上記に気をつけて、無理をなさらないようにしてください。

幸い、熱中症で当院を受診されたかたはまだいらっしゃいません。

参考

熱中症診療ガイドライン 2015

熱中症環境保険マニュアル 2022

夏季のイベントにおける 熱中症対策ガイドライン 2020

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